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唾液とそのはたらき

浄化作用

唾液には口腔内を浄化するという重要なはたらきがあります。
1ミリリットル(1cc)の唾液が口腔内の細菌を90億個も取り除きます。
ところが睡眠中は唾液の分泌速度が非常に遅いため、口腔内細菌は朝には最大となります。
起床時に口臭が強いのは、このことが深く関係しています。

エナメル質の溶解防止

食物(主に糖、炭水化物)を摂ると口腔内の細菌はこれらを代謝して酸を生産します。
この酸がエナメル質を溶かしてしまいます(歯の脱灰)。
しかし唾液には口腔内の酸を中和し正常な状態(中性~弱アルカリ性)に戻すはたらきがあります。
正常な状態に戻れば脱灰は止まり、逆に修復が始まります(再石灰化)。

ドライマウス(口腔乾燥症)

ドライマウスとは口の中が乾くもので、唾液の分泌速度の低下が原因で起こる症状です。
つまり唾液の分泌量が減ってしまうわけですが、こうなると唾液の「歯を守る」という重要な役割を十分に果たせなくなってしまいます。
しかしこれは珍しい症状ではなく、一般人のおよそ4人に1人(高齢者ではおよそ40%)がドライマウスだと言われています。
これまでドライマウスは加齢により発症する避けがたい症状だとされてきましたが、最近の研究では加齢よりも薬物の服用が大きな原因だとされています。
高齢になる程薬物の服用も多くなるので結果的に高齢者ほどドライマウスになりやすいというわけです。

ガムを噛む効果

唾液分泌量が少ない人はガムを噛むことである程度補うことができます。
なるべくなら糖分を含まないシュガーレスガムが良いのですが糖分を含むガムでも噛まないよりずっと効果はあるそうです。
またキシリトール入りのガムには再石灰化を促進する効果や抗菌効果もあり、口腔内メンテナンスの助けになるものと思われます。
ガム以外ではチーズが口腔内の酸を中和するはたらきがあり、その上強い唾液分泌促進物質でもあるので、歯にとっては一石二鳥の食物だと言えそうです。
※キシリトール:1997年 厚生省認可