<10−30歳代に増える歯肉炎>

読売新聞 99,6,11より

放置すると歯周炎に進行

 歯茎が腫れたり、出血したりする歯肉炎にかかる人が10−30歳代で増えている。生活習慣の 乱れが背景にあるが、虫歯のように痛みが伴わないためそのまま放っておく人が少なくない。中高 年になって歯周炎に移行、歯を失う恐れもあり、正しい歯磨きも含め予防を心掛けることが大切だ。


歯肉炎とは
 歯肉炎は、口の中の細菌が固まってできるプラーク(歯垢)の毒素によって、歯肉(歯茎)が炎症を起こし、 腫れたり出血したりする病気。そのまま炎症が広がると、歯周炎に進行することが多く、歯を失う原因にもなる。

 厚生省の歯科疾患実態調査(1993年)によると、歯肉炎にかかっている人の割合は、10、20、30歳代 でいずれも同年代人口の60%近くを占める。しかも前回調査時(87年)よりそれぞれ約9、2、6ポイント高 くなった。


生活習慣の乱れが原因
 サンスターが今年2月、首都圏と大阪圏に住む20−30歳代の男女300人に尋ねたアンケート調査 でも、約70%の人が歯や口に何らかのトラブルがあると回答。このうち「歯を磨くと出血することがある」が最 も多く約30%だった。

 歯肉炎にかかる若年層が増えていることについて、日本大学歯学部助教授 (口腔衛生学)は、朝食代わりに甘い缶コーヒーを飲んで、そのまま歯を磨かないとか、間食が多いなど、 「生活習慣の乱れ」を指摘する。サンスターの調査でも「朝食は毎日取る」「運動は定期的に行う」など、 よい生活習慣の人ほど口の中のトラブルが少ないことが分かった。

 問題なのは歯周炎は病気だという認識が欠けていること。「この世代は、虫歯だけが歯の病気と考えがちで、 出血しても放っておく人が少なくない」と助教授は注意を呼びかける。

 一番の予防は普段から歯肉を観察すること。健康な歯肉は薄いピンク色で、触ってみると引き締まっているが、 歯周炎になると赤くブヨブヨとして、歯磨き程度の軽い刺激で出血する。症状が軽ければ、きちんと歯を磨くこと で治るが、重い場合は歯科医を受診する必要があるという。


正しいブラッシング
 歯磨きの方法について、ライオン歯科衛生研究所(東京)の歯科衛生士は「歯の表面だけでなく歯と 歯肉の間もきちんと磨いてほしい」とアドバイスする。歯ブラシをペンと同じように持って、歯ブラシの毛先 を歯と歯肉の境目に45度の角度で当て、力を入れすぎないように注意しながら、小刻みにブラシを動かすこと がコツだ。

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