<歯周病 たばこで加速>

読売新聞 2000,1,14より

鹿児島市内歯科医師によると

 最近の若い人について特に気になるのが飲料水のがぶ飲み、そしてたばこの影響だ。 前歯にかぶせたものが外れやすく、 見栄が悪いと来院した会社員(28)。 口の中をよく検査すると、ほとんどの歯が虫歯に侵されている。 歯茎もはれ、出血も見られる。
 一日にたばこを約20本、10年近く吸っているといい、歯茎全体が黒ずみはじめている。 このままでは若いうちに歯周病で歯を 失いそうだ。
 「歯茎が真っ黒ですよ」という指摘に、虫歯には無頓着だったこの男性はショックを受けた様子。禁煙の勧めにうなずいた。
 歯科医師は「若い人や女性には、美容的な面を強調し、禁煙を勧めるのも効果的。 結果として歯周病予防につながれば」と話す。
 通常30分ぐらいかける歯周病の検査結果の説明でも、必ずたばこの悪影響に触れる。 5年前からは、本人の希望によって、 ニコチンガムなどを使った禁煙指導もしている。


大阪大学歯学部助教授の話では
 たばこに含まれるニコチンには、歯茎の組織を傷つけるうえ、修復を妨げる作用がある。 免疫機能を低下させるために、 歯周病を起こす細菌が増えやすい。
 助教授は「喫煙者の歯周病は、若い年齢で発症し進行が早い。いったん治療しても再び悪くなりやすいのが特徴。 出血の自覚症状が 出にく く、発見が遅れる原因にもなる」と、歯周病の要因に喫煙習慣が強いかかわりを持つと指摘する。
 歯を失わないために、歯周病対策と並んで大切な虫歯予防では、フッ化物の利用が重要な役割を果たす。


日本歯科医学会では
 昨年末、フッ化物の利用を勧める見解をまとめた。 虫歯は、歯のエナメル質が溶け出す「脱灰(だっかい)」現象と、 唾液などの働きで元に戻る「再石灰化」のバランスが崩れ、一方的に脱灰が進んだために起きる。 フッ素は再石灰化を促し、脱灰を 妨げる。

昭和大学歯学部教授によれば
 若いうちから虫歯や歯周病を防いで、口の中を健康に保つことは、年をとってからの生活の質を大きく左右する。 年をとり歯があちこち抜け落ちた口では、見るからにうまくかめないだけでなく、下あごをギュッとかみしめられないため 飲みこみができない「嚥下(えんげ)障害」の問題も大きいという。
 食事が進まず十分な栄養が取れないと、管からの栄養に頼らざるをえない。自由な動きを妨げ、やがては全身状態の低下につながる。 食べられないからと口の中を不潔に放っておくと、肺炎などの原因にもなる。


 高齢化社会にあって、自分の歯を長く保つことの重要さをかみしめたい。

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